〜「メリークリスマス!」と多文化共生〜

~「メリークリスマス!」と多文化共生~

菊地 真巨(著)

アメリカの街は11月末の感謝祭が終わった翌日から、赤白緑と金銀のクリスマスカラーに彩られます。街中に大きなクリスマスツリーが飾られ、サンタクロースの帽子をかぶって歩く人も目にします。が、日々の暮らしの中では、意外なほど「メリークリスマス」という言葉Holi03を聞くことはありません。職場の同僚やご近所さんとの間で交わされる挨拶は、「ハッピーホリデーズ!」が普通ですし、クリスマス時期を指すのは「ホリデーシーズン」、クリスマスプレゼントの代わりに「ホリデーギフト」という言葉が使われる場合がほとんど。多くの会社はこの時期、クリスマスパーティではなく、「ホリデーパーティ」を開きます。これには、様々な文化が混在しているアメリカという国ならではの理由があるのです。

クリスマスの起源には諸説あり、元々はキリスト教とは直接関係ないとも言われます。それでもアメリカ文化の中で、クリスマスとキリスト教は深く結びついており、キリスト教にとっては大事な宗教的祭日です。熱心な信者はイエス・キリスト降誕を祝って礼拝に参加しますし、多くのアメリカ人が日本のお正月やお盆のように、遠路はるばる故郷に戻って家族と過ごします(帰省ラッシュも起こります)。また、国の祝日として、多くの企業はもちろん政府や公的機関も休みとなり、レストランや小売店も休業します。

このように、クリスマスはアメリカの一大イベントなのですが、それと同時に、クリスマスを祝わない人、クリスマス以外の祭日を祝う人もたくさんいるのです。仏教やイスラム教、ヒンズー教にはHoli01クリスマスは関係ありませんし、ユダヤ人にとって12月は「ハヌカー」というユダヤ教のお祭りの時期
(年によって前後するが、11月末から12月後半)です。また、アフリカ系アメリカ人の中には、12月26日から1月1日まで「クワンザー(Kwanzaa)」(1960年代にアメリカで始まった、アフリカからのルーツを称える祝い)を祝う人もいます。

「私はクリスマスを祝うけれども、私の同僚はクリスマスを祝わないかもしれない」あるいは、「私はクリスマスは祝わないけれども、私の隣人はクリスマス、ハヌカー、もしくはクワンザを祝っているかもしれない」

笑顔で交わされる「ハッピーホリデーズ!」という言葉には、自分以外の人の文化や宗教も尊重しながら共生をめざす、アメリカ人の気遣いとバランス感覚が込められているように思われます。Holi02

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中